暑い日が続いておりますが体調お変わりありませんか? さて今月の【健康づくりWEBかわら版】をお届けします!
原因となる病気は見当たらないが、繰り返し起こる頭痛を慢性頭痛と言い、15歳以上の約4割が慢性頭痛に悩んでいるそうです。 慢性頭痛には片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などがありますが、この中でもこれからの台風シーズン(気圧変化など)も関係してくる片頭痛に注目してみることにしました。 そこで今回は『片頭痛』に関するお話です。
【頭痛が起きるメカニズム】
現在有力な説は、様々な要因によって脳の血管を取り巻いている三叉神経が刺激され、血管を拡張する物質を放出することで、炎症が起きる・脳の血管が拡張するなどにより痛みが起こると考えられています。
【要因】
月経や排卵、出産や更年期等の女性ホルモンの変化
寝不足や寝過ぎ、飲酒
ストレスやストレスからの解放
まぶしい光や強いにおい、人ごみや騒音
天候や気圧の変化、湿度や温度
など
【症状】
下記の(A)、(B)、(C)がすべて当てはまること
(B)
以下の内2つ以上当てはまる
頭の片側、もしくは両側に起こる
脈を打つようにズキンズキンと痛む
仕事や家事に支障がでる、または我慢できない痛みがある
動くと痛みが悪化する
【予兆や前兆】
空腹感や生あくび、イライラ、手足のむくみなどがある
閃輝暗点(せんきあんてん)が見られる場合がある。 視野の中央にギザギザした光が現れ、5~60分程続き、 同時にもしくは閃輝暗点が消えてから60分以内に頭痛が 起こる。
片頭痛が起きたときにできる対処方法をご紹介します。
痛む部分を冷たいタオルなどで冷やす。
入浴は控える。
暗く静かな場所で安静にする。
ただし、生活に支障を来すほどの痛みがある場合には、かかりつけ医や頭痛外来や神経内科などを受診しましょう。 痛みの程度が強くない場合、市販の頭痛薬なども症状緩和に効果がありますが、「薬の使い過ぎによる頭痛」も懸念されています。 そのため、頻回の使用は避けるようにしましょう。~プチメモ~ 「薬の使い過ぎによる頭痛」 頭痛が起こることへの不安や恐怖心が強くなる。 → 市販薬や処方薬を使う回数が増える。 → 痛みに敏感になり、頭痛の頻度が多くなる。 → 頭痛が複雑化して薬が効きにくくなる。
●トリプタン製剤● 片頭痛を起こしていると考えられている三叉神経周辺の炎症を抑え、脳の血管を収縮させる作用があります。片頭痛の痛みを感じたらすぐに使用することで最も効果を発揮します。 なお、トリプタン製剤には効果の現れ方や内服の仕方によって種類が色々あります。また、脳梗塞や心筋梗塞・狭心症、重度の高血圧・肝臓病がある方は使用できません。●現在開発中! 抗CGRP抗体療法● 血管を拡張させる物質の作用を止める薬が現在開発中のようです。 国内外で治験(臨床試験)が進んでおり、痛みの消失・軽減効果が期待されています。 その他、片頭痛に対しては必要に応じて予防薬が処方されることがあります。予防薬の使用に際しても、頭痛の頻度や生活への支障の有無、治療薬の効果の有無など個人の状況に合わせて検討されます。片頭痛に悩んでいる方は医療機関にご相談ください。
片頭痛がある方は日記をつけてみましょう。痛みの程度や内服状況の他、予兆の有無、月経周期なども併せて記録してみると、自分なりの傾向が分かるようになります。傾向が分かれば自分なりの予防策を立てることができますし、受診時に記録があると、診断や治療にもつながりやすくなります。ご自身の手帳や携帯電話のスケジュール機能を活用いただくこともいいですね。
また、日本頭痛学会ホームページからもダウンロード可能です。
一般社団法人 日本頭痛学会 http://www.jhsnet.org
筆者は台風等の低気圧が近づいてくると頭痛を感じる頻度が増える傾向があります。近年気象の変化と不調との関係性の研究も行われており、『天気痛』や『気象病』とも呼ばれています。ご自身の片頭痛に天気が関係しているかも?!と思われる方は、頭痛ダイアリーをつける際に、天気も記録してみるといいですね。 なお、頭痛の予防には自律神経を整えることや睡眠の質を高めること、ストレスをためないことなども大変重要です。片頭痛がある方は、日常生活の中でもご自身を労わるようにしていきましょう。
※今回の記事は以下を参考にいたしました。
へるすあっぷ21 2017年6月号 p.46-53 「もう天気痛に悩まない!」
へるすあっぷ21 2018年5月号 p.46-53 「つらい頭痛の対処法」
NHKテキスト 今日の健康 2017年8月号 No.353 p.66-69 「片頭痛」
NHKテキスト 今日の健康 2017年8月号 No.353 p.74-77 「薬の使い過ぎによる頭痛」
一般財団法人日本予防医学協会 HP https://www.jpm1960.org/ 本メールマガジンに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。 Copyright (c) The Association for Preventive Medicine of Japan. All rights reserved.
- 健康診断の委託先や、健康管理業務のお悩み・お困りごとは日本予防医学協会 にご相談ください -