さて今月の【健康づくりWEBかわら版】をお届けします!
2月頃より新型コロナウイルスの報道を目にしない日はないほど、日本のみならず世界中で流行していますね。手洗い・うがいを徹底していくことや、換気、咳エチケット、人が多く集まる場所への不要な外出を控える等の感染予防対策を行うことに加え、ご自身の生活習慣を見直して、免疫力を下げない・高める工夫を取り入れてみませんか? そこで今回は『免疫力アップ』に関するお話です。
免疫とは、体内に侵入した異物を攻撃し排除するために、体に備わっている防御システムのことです。免疫には2種類あります。
1 . 「自然免疫」 生まれながらに備わっているもの。例えば、皮膚、唾液や耳あか、涙やくしゃみ、腸内細菌等がある。また、血液中の白血球の中にある免疫細胞(マクロファージや好中球、ナチュラルキラー細胞など)も体内に入ってきた異物に対して攻撃する力を生まれながらに持つ。
2. 「獲得免疫」 自然免疫によって排除することができない異物や病原体に対して力を発揮する。過去の感染の経験やワクチンの接種により、免疫を記憶し、次に同じ病原体が体内に入ってくると免疫細胞が直ちに増えることで感染を防いだり、症状を軽くすることが出来る。獲得免疫に最も関わっているのが、白血球中のリンパ球(T細胞やB細胞など)である。
また、免疫システムには「全身免疫」と「粘膜免疫」があり、前者はリンパ中心のシステムで、後者は腸管独自のシステムとなっています。そのため、腸内環境も大変重要な要素の1つです。
加齢 加齢に伴い免疫細胞も老化することで、免疫力低下につながります。また、自然免疫である皮膚の衰えや基礎代謝量の低下からも免疫力は弱まっていきます。
自律神経の乱れ 自律神経は交感神経と副交感神経の2つが活動や休息、緊張状態などに応じて切り替わりバランスを保ってくれていますが、このバランスが崩れることで白血球の中の顆粒球やリンパ球が過剰に増えたりして、免疫力の低下や不調が現れやすくなります。
その1 「睡眠の質を高める」 質のよい睡眠は、リンパ球の増加や細胞の成長や修復、疲労の回復、自律神経を整えることにもつながります。 睡眠の質を高めるためには、体内時計を整るために出来る限り起きる時間と寝る時間を一定にする、就寝前の入浴、寝る前に携帯電話やパソコンなどの光を浴びない、起床時にはカーテンを開けて日光を取り込む、運動を取り入れるなどがあります。
その2 「ストレス解消と笑いを取り入れる」 過剰なストレスは、自律神経のバランスを崩しやすくなります。 ストレスは溜めこまないように、話す、趣味を行う、ストレッチや軽い運動を行うなど日々の生活の中で解消していきましょう。また、笑うことで脳の中に鎮静作用のあるホルモン分泌が促されるなどの効果もあります。
その3 「体を冷やさない、温める」 体温が低いと免疫細胞の働きも弱まると言われています。お風呂では湯船に浸かる、靴下やストールなどを活用する、温かい飲み物を飲むなどして、温めることを意識してみましょう。
その4 「適度に体を動かす」 体を動かすことで体温の上昇にもつながる他、自律神経バランスを整えたり、リンパ球を増やす力も高くなります。 軽いストレッチや散歩、ウォーキング等、無理のない範囲で楽しみながら体を動かすようにしましょう。
その5 「1日3食、バランスの良い食事を心がける」 バランスの良い食事のポイントは、下記の3つの要素が食卓に揃っているかということです。 ・主食…炭水化物(ご飯など) ・主菜…タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品など) ・副菜…ビタミンやミネラル類(サラダ・煮物など)
不足しがちな栄養素を補給するために、
おかずとなる副食の種類を一品増やす/野菜を増やし食事に彩りを加える (理想:白・黒・赤・黄・緑の5色)
などを意識してみてくださいね。 また、朝食は体温の上昇や基礎代謝量を上げる効果や、体内時計を整える働きもあり、免疫力を高めることにつながります。
その6 「腸内環境を整える」 腸内の善玉菌は腸内を酸性にすることにより悪玉菌の増殖を抑え腸の運動を活発にし、病原菌による感染の予防につながります。また、善玉菌自体を構成している物質が、免疫力を高めることも報告されています。 善玉菌を増やすため、ヨーグルト・納豆などのビフィズス菌・乳酸菌を含む発酵食品、野菜類や豆類、果物類に多く含まれているオリゴ糖や食物繊維の摂取などを意識してみてくださいね。 その他『腸の力を高める』工夫については、過去のかわら版もぜひご参照ください。
2015年5月号 「あなたの腸能力を高めよう!」 https://jpm-new.movabletype.io/kawara/kawaraban/post-16.html
新型コロナウイルスに関する情報や予防対策方法については、厚生労働省や首相官邸等のホームページ等を随時ご確認ください。
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/index.html
首相官邸 http://www.kantei.go.jp/
国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/
ジョンズ・ホプキンス大学 新型コロナウイルス ダッシュボード https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6
(参考資料)
へるすあっぷ21 2016.12 No386 p.48-55
厚生労働省 e-ヘルスネット 腸内細菌と健康 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
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