意外と多い!?胃がん

胃が痛い男性
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    意外と多い!?胃がん
                                      
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日本は胃がん発症率が高く、「がん部位別死亡率」が2位と、
胃がんで亡くなる方が多い現状があります。
そこで今回は、『胃がん』に関するお話です。

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★ 胃がんとは ★
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胃がんの多くは、胃の内側にある粘膜から発生します。
がんが粘膜や粘膜の下にある粘膜下層に留まっているものを
「早期がん」、粘膜下層の下の筋層より深く広がるものを
「進行がん」といいます。
胃がんは、悪性腫瘍(がん)部位別死亡率でみると男性2位、
女性3位、総合2位と、1960年代よりも死亡率は減少傾向ではある
ものの、依然として多くの人が胃がんで亡くなっています。
参考資料1)

■原因
ピロリ菌感染、1日10g以上の塩分摂取、喫煙、野菜や果物の摂取
不足などがあります。

■症状
食欲不振や胸焼け、吐き気、胃もたれ、胃の不快感、貧血、
黒色の便など様々な症状が現れます。
しかし、進行の程度に関わらず、無症状の場合もあります。

■胃がんを見つけるための検査
レントゲン検査、内視鏡検査などがあります。
また、胃がんになるリスクを判定する検査としてABC検診(※1)が
あります。

(※1)ABC検診…「ピロリ菌感染の有無を調べる検査」と、
「胃粘膜の萎縮度を調べる検査」を組み合わせて、リスクを
A~Dで分類する検査

レントゲン検査や内視鏡検査、ABC検診は健康診断で、オプション
などで受けられる場合があります。詳しくは健康診断担当者
又は加入している健康保険組合へ確認しましょう。
早期発見のため少なくとも年に1回は検査を受け、「要再検査」や
「要精密検査」と出た場合には、必ず医療機関を
受診しましょう。

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★ 胃がんの予防 ★
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■ピロリ菌感染の有無を調べ、除菌
50歳以上の80%以上がピロリ菌に感染しているといわれています。
ピロリ菌は世界保健機構(WHO)でも「確実な発がん因子」と認定
されており、ピロリ菌保菌者の胃がん発生率は高いことが
分かっています(全てのピロリ菌保菌者が、胃がんを発生する
ことはなく、ピロリ菌に感染していなくても胃がんになる可能性は
あります)。

 ●ピロリ菌の感染経路、感染時期
  主に乳幼児期に感染するといわれています。経口感染ですが、
  井戸水の摂取をはじめ、様々な原因が考えられます。
  ピロリ菌保菌者は、唾液中にもピロリ菌がいるため、
  唾液を介しての感染もあり得ます。

 ●ピロリ菌感染を調べる方法
  診断薬を服用し、服用前後の呼気を調べる「尿素呼気試験」、
  尿・便検査、血液検査などがあります。

 ●感染していたら
  医療機関(消化器内科)で内視鏡検査を受けて、ピロリ菌
  による慢性胃炎があると判断されれば、保険適応で除菌
  することが可能です。他にもピロリ菌感染による胃潰瘍・
  十二指腸潰瘍など5疾患が保険の適応となります。(※2)

  (※2)保険適応でピロリ菌を除菌できる疾患
    ピロリ感染胃炎(ピロリ菌による慢性胃炎)、胃潰瘍、
    十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、突発性血小板減少性
    紫斑病、早期胃がん内視鏡治療後の胃

 ●除菌の方法
  胃酸の分泌を抑える薬1種類、抗生物質2種類、計3種類の
  薬を朝・夕2回、1週間服用します。医師が指示する期間を
  あけて、再度病院でピロリ菌感染の有無を調べます。
  70~80%の方が1回の除菌で成功しますが、1回で成功
  しなかった際には、使用する薬を変えて再度除菌を行います。

■減塩・適塩
1日10g以上の塩分摂取で、胃がんになるリスクが高くなります。
厚生労働省が定めている、血圧が正常な方の塩分摂取目標量は
1日あたり男性8.0g、女性7.0g未満となっています。
尚、日本高血圧学会は、血圧が高い方は、塩分を1日あたり
6g未満に抑えることを推奨しています。

■禁煙・タバコを吸わない人はタバコの煙に近付かない
喫煙は胃がんになるリスクが高くなります。
またタバコを吸わない方でも、副流煙(※3)で胃がんのリスクが
高くなります。
喫煙をされている方は、禁煙にチャレンジしていきましょう。
また喫煙しない方も、タバコの煙にむやみに近付かないなど、
気をつけていきましょう。

(※3)副流煙…タバコの点火部から出る煙のこと

■野菜や果物を意識して摂取する
野菜や果物の摂取不足で、胃がんのリスクが高まります。
少なくとも1週間に1~2日は野菜や果物を摂取しましょう。
1日に1回は野菜を摂取できるとなお良いですね。
厚生労働省は1日あたり350g以上の野菜を摂取することを
推奨しています。緑黄色野菜・淡色野菜・果物をまんべんなく
食べましょう。

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★ 最後に ★
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もし胃の不調が2週間以上続く、市販薬を服用しても症状があまり
治らない、年に何度も胃の調子が悪くなる、などあれば、早めに
消化器内科を受診しましょう。生活習慣で改善できることは
改善し、胃がんの発症を少しでも抑える生活を心がけたいですね。

参考資料1)厚生労働省大臣官房統計情報部,
   「平成26年我が国の人口動態 平成24年までの動向」,
   http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf

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