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脂質(脂肪)にも種類がある?!
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春は新しい環境や新たな出会い、歓送迎会などのパーティーシー
ズンですね。一方では、この時期に「健康診断」がある方も多い
のではないでしょうか。特に、LDLコレステロール(以下LD
L-C)や中性脂肪などが高い「脂質異常症」の方は、危険な病
気の始まりであるにも関わらず、痛みを感じないため、放置して
いるケースも多いのではないかと思います。脂質について理解を
深め、少しでも改善していきたいですね。
そこで今回は『脂質の種類』に関するお話です。
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★ 脂質は体内でどんな役割をしているの? ★
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お腹や身体の色々なところにたまる脂質ですが、私達の身体を作
ったり、守るためにさまざまな役割を担っています。
【脂質の主な役割】
●細胞膜の主要な構成成分
●エネルギー源(炭水化物や蛋白質の約2倍のエネルギー量)
●臓器を保護するクッションの役割
●放熱を調整し、体温を維持する
●脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)やカロテノイド
の吸収を助ける
●コレステロールは細胞膜の構成成分のほか、ホルモンやビタ
ミンDの前駆体(前の段階の物質)となる
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★ 食品に含まれる脂質の種類にはどんなものがあるの? ★
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脂質を構成する主成分は脂肪酸と呼ばれ、大きく分けて「飽和脂
肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。
●飽和脂肪酸
動物性食品に多く含まれ、常温で固体の脂質。摂り過ぎると、
血液中のLDL-C(悪玉)や中性脂肪を増やし、血液に粘度
を出して心疾患のリスクを高める。
【多く含む食品】肉類の脂肪、バター、ラード、生クリーム・
ホイップクリーム、乳製品、チョコレート、
ケーキなど
●不飽和脂肪酸
植物油や魚油・大豆油などに多く含まれ、主に常温で液体の脂
質。一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸が
ある。
・一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸
血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らし、血液を
サラサラにして血栓を防ぐ。特に青魚の油に多い多価不飽和
脂肪酸は心疾患のリスクを下げるとされている。
【多く含む食品】オリーブオイル、さんま、いわし、さば、
大豆油、紅花油、ごま油
・トランス脂肪酸
常温で液体の植物油に水素を添加して工業的に製造された脂
質。LDL-C(悪玉)を増やすだけでなく、HDL(善玉)
コレステロール(以下HDL-C)を減らし、動脈硬化など
による心疾患のリスクを高める。
【多く含む食品】マーガリン、ファットスプレット、ショー
トニング、これらを使ったパン・ケーキ・
ファストフードの揚げ物、カップ麺やスナ
ック菓子、コーヒークリームなど
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★ コレステロールは悪いもの? ★
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コレステロールとは、ホルモンや細胞膜の材料となる身体にとっ
て欠かせない脂質の一種です。体内のコレステロールは卵などの
食物からも吸収されますが、多くは肝臓で合成され、血流に乗っ
て全身の組織に運ばれます。通常は、食事から摂取したコレステ
ロールの量によって合成量が調整され、体内のコレステロールの
恒常性が保たれていますが、中長期の生活習慣の悪影響によって
そのシステムが破綻すると、血液中のコレステロール値が高くな
ってきます。
そして、コレステロールは血液に溶けないため、特殊なたんぱく
質であるLDLやHDLなどの粒子に含まれて流れています。
・LDL-C(悪玉コレステロール)
肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割があるが、
血液中に増えすぎると血管の壁に入り、こぶができる。その
こぶが膨らむと動脈硬化を引き起こしたり、そのこぶが破れ
て血栓(かさぶたの様なもの)が出来ると、ますます動脈硬
化が進むことから、悪玉コレステロールと呼ばれている。
・HDL-C(善玉コレステロール)
過剰なコレステロールを肝臓に戻す役割があり、血管の壁に
溜まったコレステロールも抜き取って回収してくれる。動脈
硬化の進行を抑えてくれる働きがあるため、善玉コレステロ
ールと呼ばれている。
・中性脂肪との関係
血液中に中性脂肪が増えすぎると、LDL-Cはさらに小型
化し、血管壁の中に入り込みやすくなる。小型化したLDL
-Cは超悪玉として、動脈硬化をいっそう進めてしまう。
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★ 食事と運動で動脈硬化を予防しよう ★
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動脈硬化を予防するため、LDL-Cや中性脂肪を減らし、HD
L-Cを増やして基準値内にしていくことが大切です。これらは、
生活習慣と密接に関わっているため、食事と運動の習慣を見直し
、出来ることから実行していきましょう。
・毎日の生活に運動を取り入れる(目標:1日1万歩・30分歩く)
・朝食を和食にする(バターやベーコン、卵の定期的な摂取を控
える)
・魚、大豆製品を毎日1品は摂る
・乳製品(チーズ、アイスクリーム)は低脂肪食品を選ぶ
・野菜、海藻を毎日食べる
・バター、ラードよりサラダ油やドレッシングを選ぶ
・菓子パン、洋菓子、スナック菓子より和菓子を選ぶ など
脂質全体の量だけでなく、脂質の種類を考えて適量を摂り、極端
に偏った食べ方をしないように改善していきましょう。
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★ 最後に・・・ ★
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日本ではまだ表示の義務はありませんが、一部の国ではトランス
脂肪酸の栄養表示を義務づける動きがあります。脂質の種類への
理解を深め、必要に応じて生活習慣の改善に取り組んでいくこと
が大切ですね。また、その生活習慣の改善が身体にどう影響して
いるのか、健康診断を毎年受診し、経年で検査結果を確認してい
きましょう。
次回は、「油の種類」についてお伝えします。
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