寒さが一段と厳しくなってきましたね。 冷たい風にも負けず根を張って踏ん張っている草や木々を見ると、とても勇気づけられるような気がします。 「終わりよければすべてよし」、残りわずかとなったこの1か月を大切に過ごし、この1年の満足度を高めていきましょう。 さて今月の【健康づくりWEBかわら版】をお届けします!
ラグビーW杯「桜の戦士」の“糖”魂精神を継承せよ!
世界を驚かせたラグビーW杯日本代表の快進撃は記憶に新しいですが、その裏では厳しい練習だけでなく、栄養管理も徹底されていたようです。 アスリートの食事=糖質制限&プロテイン摂取と考える方も多いかと思いますが、実はエネルギーの補給、疲労回復や怪我予防なども考慮して、主食や軽食におにぎりやうどん、蕎麦などの糖質がうまく取り入れられていました。糖質制限をしていた選手も、このW杯の際に栄養面を考え食事改善を行ったそうです。 私たちも日々何かと戦う戦士として、この機会に糖質のとり方について考えてみませんか? そこで今回は『糖質のとり方』に関するお話です。
動いたり、考えたり、寝たり…と、生きている限り身体は常にエネルギーを消費しています。このエネルギー源となる栄養素として糖質・タンパク質・脂質がありますが、この3大栄養素の中で一番最初に使われるもの、そして最も多くとる必要があるのが糖質です。
また、脳はエネルギー源の多くを糖質に頼っており、全身の細胞に酸素を送る血液中の赤血球に関しては糖質しか利用できないため、糖質は生命維持に欠かせないものなのです。
糖質は余ると、グリコーゲンとして身体(肝臓や筋肉)に貯蔵する仕組みも備わっていますが、蓄えられる量が少ないため、余った分は中性脂肪として蓄えられます。糖質=太るというイメージがあるのは、このためです。
一方、不足した場合は、脳へのエネルギーが不足し、眠気やだるさの原因になってしまいます。
常に脳へエネルギーを送り続けるためにも、糖質は必要不可欠な栄養素であり、「食べない」「抜く」のではなく、賢くとることが大切なのです。
糖質は、食物繊維と組み合わせた“炭水化物”としてとることがポイントです(糖質+食物繊維=炭水化物)。炭水化物としてとることで、糖の吸収が緩やかになり、エネルギー源として少しずつ使っていくことができます。 さらに、炭水化物にたんぱく質や脂質を組み合わせ、栄養バランスを整えると血糖値の上昇を抑え、体脂肪の合成を防ぐことができます。
逆に、単品料理や食物繊維が少ないものは、糖が急激に吸収され、血糖値は急上昇し、使い切れなかった糖質は中性脂肪として蓄積されてしまいます。また、血糖値が急上昇した後、急降下することで、眠気やだるさ、メンタル面への影響にもつながってきます。
食物繊維の少ない炭水化物食品としては、麺類・丼もの・菓子パン・甘い飲料などが挙げられます。また、20時以降は血糖値が上昇しやすいため、これらを食べる際は、
大盛りにしない
肉や卵、大豆製品などのたんぱく質を組み合わせる
野菜や海藻などの食物繊維が多いものを選択する・添える
など、ちょっとした工夫を取り入れてみてくださいね。
糖質量は「次の食事までの時間」を考えて“微調整”していくことがポイントです。
朝食 【内容】 消化器官に負担の少ない白米がお勧め。しっかり食べることで体内時計にスイッチが入ります。味噌汁や卵焼きなどを添えると腹もちがアップします。 【量】 昼食までの時間が通常なら、普通量で。昼食までにお腹が空くようなら、朝食量を増やしてみてくださいね。
昼食 【内容】 昼食後に眠気がある場合は、血糖値が乱高下している可能性があるため、麦入り・雑穀入りなど食物繊維が入った主食を選ぶことがポイントです。難しい場合は、おかずとして野菜・海藻・きのこなどを組み合わせると◎。 【量】 昼食から夕食までの時間が空く場合は、糖質も脂質も少し増やします(極端に増やさないことがポイント)。それでも夕方にお腹がすく場合は、補食(おにぎり等)で糖質を補い、その分、夕食は少な目に調整します。
夕食 【内容】 3食の中で、一番食物繊維の割合を上げることがポイントです。特に夕食時間が遅い人や血糖値や体重が気になる人は、夕食にもずくやめかぶなどを1品添えてみてくださいね。 【量】 朝食までの時間が短い場合は、少な目の量で。夕食が遅い、体重が気になるなどの理由で糖質を抜くのはNG。睡眠中も脳や筋肉、全身の臓器はエネルギーを必要としています。
今シーズン、ラグビー日本代表が試合直前(約4時間前)に食べる勝負メシは“おはぎ”が定番メニューでした。 みなさんも糖質と上手に付き合い、自分のベスト体重・ベストコンディションを維持できる勝負メシを見つけてみてくださいね。 そして、その成果を来年のオリンピックイヤーにつなげていけると良いですね♪
(参考資料)
へるすあっぷ21「糖質の上手なとり方」 (2019.07 P54~P55、2019.08 P54~P55)
WEB女性自身「ラグビーW杯日本代表 ベスト8達成の勝負メシは“おはぎ”」 (最終閲覧日:2019年11月15日)https://jisin.jp/sport/1791583/
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