9月に入り、秋の味覚が店頭に並ぶようになってきました。 『食欲の秋』と聞いただけでワクワクする反面、体重が気になる方にとっては、 …複雑な季節ですね。 さて今月の【健康づくりWEBかわら版】をお届けします!
美肌、免疫力UPなどで今、注目されている「腸活」「菌活」。 コロナ感染拡大の影響で一時的に納豆やヨーグルトに代表される「発酵食品」がスーパーで売り切れになったとか。 そこで今回は、野球大好き管理栄養士が『発酵食品』と真剣に向き合い、最強打線を組んでみました。
「発酵食品」とは、微生物の働きによって原料を分解(発酵)することでできた食品です。この発酵により栄養素の吸収率UP・栄養素の増加・保存性UP・美味しくなるなどの効果や、菌で腸内環境が整うため、免疫力UP・アンチエイジング・デトックス効果などの多くのメリットが期待されます。 さらに、安価で入手しやすいなど、毎日の食卓に取り入れやすいことも嬉しいですね。 発酵パワーを食卓に取り入れ、美と健康につなげていきましょう。
発酵食品は代表的なものだけでも30種類以上もあります。 そして、発酵食品にはそれぞれに強みがあります。 今回は野球の打線になぞらえて発酵食品をご紹介いたします。
1番(走攻守揃った切り込み隊長):『チーズ』
世界的に活躍する乳酸菌発酵の代表格。チーズに含まれるカルシウムは牛乳の6倍以上。 また、チーズに含まれる必須アミノ酸のメチオニンは、肝臓の機能を助けてくれるため、おつまみにも最適。 大人から子どもまで大好きなチーズの出塁率は高い!?
2番(攻撃的なつなぎ役):『納豆』
日本で発酵食品といえばこれ。納豆菌で発酵させる。 5大栄養素、食物繊維や必須アミノ酸をバランスよく含み、ビタミンB群、レシチン、イソフラボンや大豆サポニンが豊富。 そのまま食べてもいいし、オクラやじゃこ、ごま油と一緒に摂るとさらに免疫力UP。自分も仲間も活かせる器用さも魅力!
3番(チャンスでの得点力に期待):『味噌』
麹菌・酵母菌・乳酸菌の3つの菌によって発酵させた発酵食品。 生活習慣病の予防などあらゆる効能に世界中が注目。 味噌汁なら1日1杯を目安に、毎日摂り続けることがポイント。 血圧が気になる方は、減塩味噌やカリウム(塩分を排出する)を多く含む緑黄色野菜・芋・海藻類を具材に選ぶことがお勧め。日本食には欠かせない発酵食品。
4番(チームの柱):『ヨーグルト』
誰もが知る乳酸菌の発酵乳。 毎日1カップ(200kcal)を目安に継続的に食べると効果抜群! 体重増加が気になる方は、無糖または低糖のものにオリゴ糖やはちみつ(小さじ1杯)を組み合わせるとGOOD。 老若男女問わず身近に食べることのできるヨーグルトは、発酵食品の柱となる存在!
5番(打点がとれる強打者):『酢』
純米酒を酢酸菌で発酵させる。主成分の酢酸やクエン酸により高血圧予防、血中脂質の減少、疲労回復効果なども期待できる。 1日の目安は大さじ1~2杯(15~30ml)程度で、食事中か食後に摂取し、胃に負担をかけない程度に飲むことがポイント。 酢の物やピクルスなど、酢を使ったおかずは栄養価が高い!
6番(ここぞの勝負強さが求められる):『しょうゆ』
煮た大豆や小麦に麹と塩を加えて発酵させる。塩分を多く含むため、1日大さじ1杯を目安にした方がいいが、日本人の食卓には欠かせない発酵食品であることは間違いない!
7番(左右に打ち分けられる巧打者):『ぬか漬け』
野菜に付着した乳酸菌が米ぬかをエサに増殖。植物性の乳酸菌は動物性乳酸菌とは異なり胃酸の影響を受けにくく大きな効果が期待できる。 塩分が気になる場合は自家製ぬか漬けにチャレンジするのも◎。 食事にもおつまみにも合う器用さは唯一無二。
8番(状況にあわせたチームバッティング): 『かつお節』
鰹節は「荒節」と「枯節」の2種類あるが、本枯節(ほんかれぶし)のみが発酵食品に分類される。商品裏面を確認し、名称「かつおかれぶし削りぶし」、または原材料名「かつおのかれ ふし」と記載されたものを選ぶことがポイント。 かつお節からとれる出汁は、どの料理にも風味をもたらす貢献度。
9番(俊足と出塁率の高さ):『甘酒』
点滴とほぼ同じ栄養素を含む。精神安定の効能もあり、身体だけでなく、心にも良い影響を与えてくれる。また、美白効果もあり、「飲む化粧水」との異名をもつ。米麹を発酵させた甘酒 は砂糖不使用・ノンアルコールでお勧め。 体調が優れないときに役立つ即効性のある発酵食品のひとつ。
DH(一発を狙える長打力):『キムチ』
材料に使われる食品が1つではなく、野菜・海産物・ごま油などさまざまな食品が発酵してできあがった、世界でも珍しい発酵食品。 辛味、旨味も相成ったときのインパクトは大きい!
【番外編】
代打の切り札(試合の流れを決める役割): 『ナタ・デ・ココ』
酢酸の一種「ナタ菌」を使用した発酵食品。約99%は水分で、残りは水溶性の食物繊維。低カロリーでダイエット効果があるため食前に食べるのが◎。 夏バテした胃腸の流れを変えてくれるかも!?
いかがでしょうか。 今回の打線は私個人の見解ですので、野球好きの方は発酵食品の強みを踏まえてオリジナルの打線を検討していただけると嬉しいです。
美肌や健康に嬉しい効果をもたらしてくれる発酵食品。その栄養価と強みを知って組み合わせることでより強力な戦力になります。 皆さんの食卓では、日々どんな打線が組まれていますか?
(参考資料)
厚生労働省 e-ヘルスネット情報提供 腸内細菌と健康 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」
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