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備えよう!転ばぬ先の杖!
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昨年、厚生労働省が「STOP!転倒災害プロジェクト2015」と題し
て、1年間転倒災害防止対策の働きかけを行っていたのをご存知
でしたか?その中で、重点取組期間を2月と6月に設定されてい
たのですが、実は2月は転倒災害が多発しているのです。
そこで今回は『冬の転倒予防対策』に関するお話です。
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★ 転倒災害プロジェクトの概要 ★
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転倒災害とは、仕事中や通勤時の転倒によって起きた災害のこと
を示します。この転倒災害は、4日以上休業した死傷災害全体の
2割以上を占め、災害の種類の中で最も件数が多くなっています。
特に高年齢労働者は転倒災害が発生した場合に、災害の程度が重
くなる傾向があります。
今後、労働人口の高齢化の進行が見込まれることから、事業所に
おける転倒災害防止対策の徹底により、安心して働ける職場環境
を実現するという目的により発足したプロジェクトです。
なお、冒頭に記載しましたが、このプロジェクトでは転倒災害が
多発する2月と、全国安全週間の準備月である6月を重点取組期
間と定めています。また冬期は、積雪や路面の凍結のため、転倒
災害が多く発生する傾向にあります。
そこで、この時期の通勤中やお仕事中の転倒予防のために、冬場
の滑りやすい場所や歩き方の工夫をご紹介していきたいと思いま
す。
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★ 冬場に滑りやすくなる場所 ★
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①圧雪(バスやタクシーの乗り場など)
踏み固められた雪のことで、表面のみ凍ってつるつるとした光沢
ができ、大変滑りやすい状態です。圧雪は、降雪が1cm以上あり、
雪が降った後早い時間(おおよそ24時間以内)に形成されます。
②アイスバーン
氷のようになった路面のことで、透明又は黒く見え、非常に滑り
やすい状態です。前日の最高気温が0℃未満の場合に出来やすい
路面凍結現象です。
③横断歩道の白線の上
白線部は、乾いているように見えても薄い氷膜が出来て、滑りや
すくなっている場合があります。
④車の出入り口のある歩道
出入りする車のタイヤで路面上の氷が磨かれ滑りやすくなります。
⑤坂道
坂道は、上るときよりも下るときのほうが、滑って転びやすくな
るため注意が必要です。
⑥ロードヒーティングの切れ目
雪や氷がとけず段差が出来ていたり、部分的に滑りやすい状態と
なることがあります。
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★ 積雪や路面凍結時の歩き方 ★
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①小さな歩幅で歩こう!
歩幅を小さくし、そろそろと歩く「ペンギン歩き」がオススメで
す。身体の揺れが小さくなり転びにくくなります。
②靴の裏全体を路面につける!
身体の重心をやや前に置き、出来るだけ靴の裏全体を路面につけ
る気持ちで歩きましょう。
③適した靴を選ぶ!
靴底に滑り止め剤が入っているものや、ピン・金具付きのもの、
溝の深いものなどがオススメです。
④その他
・手をポケットに入れて歩かないよう手袋を着用する
・携帯電話を使用しながら歩かない
・荷物で両手をふさがないようリュックを使う
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★ 転倒予防は国民的課題 ★
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今回は、冬期の通勤や職場での転倒災害予防について紹介してき
ましたが、日常生活の中においても、転倒予防は大きな課題とな
っています。
実は人口動態調査によると、転倒・転落での死亡数は、交通事故
での死亡数を上回っています。
また、平成25年度の国民生活基礎調査によると、介護が必要とな
った原因は「脳血管疾患」「認知症」が最も多くなっています。
一方で、「関節疾患」「骨折・転倒」という身体や筋肉の機能低
下が介護の原因になるケースも、実に5人に1人の割合となって
きているのです。
加齢によって筋肉量は減少しやすく、バランス感覚や反射能力、
視覚での認識力など運動機能も低下し、わずかなところでつまづ
いてしまったり、転倒しやすくなってきます。
そこで、まずは日頃から歩くように心がける、テレビを見ながら
ストレッチを行う、歯磨きをしながらかかとの上げ下げを行うな
ど、日常生活の中で運動機能の低下を予防していくことも大切で
すね。
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★ 最後に・・・ ★
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今季は暖冬と言われていますが、いつまた強い寒波がやってくる
か分かりません。日頃から天気予報に気を配り、寒波が予想され
ている場合には、滑りやすい場所に融雪剤の散布を行うなどの対
応もしておきましょう。また、時間に余裕を持って動き、場合に
よっては、不必要な外出を控えるなどの判断も時には必要です。
さらに「備えあって憂いなし」。まずは日頃から運動や活動を取
り入れて身体機能を維持していくことも大切ですね。
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