健康づくりかわら版2017年05月号過ごしやすい陽気が続いていますね。 さて今月の【健康づくりかわら版】をお届けします! 受動喫煙について考えてみよう! 毎年5月31日は、世界保健機関(WHO)が「世界禁煙デー」と定めており、今年で30回目を迎えます。また、厚生労働省は、平成4年より5月31日~6月6日を「禁煙週間」と定め、普及啓発を行っています。さらに、2019年9月にはラグビーワールドカップ、2020年にはオリンピック・パラリンピックが日本で開催されることから、国内での受動喫煙防止対策強化を進めています。 たばこの煙について たばこの煙には約4000種類の化学物質、約200種類の有害物質、60種類以上の発がん物質が含まれています。また、たばこの煙の種類としては、喫煙者が吸う「主流煙」、喫煙者が吐き出した「呼出煙」、たばこから立ち上がる「副流煙」があります。喫煙者はフィルターを通した主流煙を吸っていますが、周りにいる方は、呼出煙と副流煙を吸っていることになります。この副流煙は、不完全燃焼になりやすく、フィルターを通していないため、有害 物質が主流煙よりも多く含まれています。 受動喫煙による健康障害 国立がんセンターの研究では、受動喫煙による肺がんと虚血性心疾患によって、年間6800人が死亡しているとの報告があります。 世界の受動喫煙対策と日本の現状 2010年7月に、WHOとIOC(国際オリンピック委員会)は、たばこのないオリンピックを推進することで合意しています。合意後、日本を除くすべてのオリンピック開催国・開催予定国は、罰則を伴う法規制を実施しています。また、世界188か国の中で、49か国(イギリスやカナダ、ロシアなど)が法律で公共の場所すべてを屋内全面禁煙義務としています。 今後の受動喫煙対策 厚生労働省が2017年3月に公表した「受動喫煙対策の強化について(基本的な考え方の案)」の中で新たに導入する制度の考え方を以下に記載いたします。
また、その他として、施設管理者に対し「建物内禁煙」「喫煙室設置」等の啓示を義務付け、施設管理者や喫煙者本人に対する罰則適用も検討されています。なお、近年、加熱式たばこが販売されています。加熱式たばことは、火を使わずにたばこ葉を専用容器で加熱し、ニコチン入りの 蒸気を吸うものです。2017年3月現在では受動喫煙の健康への影響について十分な知見が得られていないため、加熱式たばこも受動喫煙対策強化の規制対象とする案が示されています。 受動喫煙について思うこと 日本の受動喫煙対策は、世界に比べて遅れています。その現状の中で、喫煙者はどのように周囲の人に配慮を行っていくのか、非喫煙者はどのように自分自身の身を守っていくのかを、少し考えていく必要があるかもしれません。是非この機会に、受動喫煙に ついて考えてみませんか? 参考資料 PDF版はこちら 【2017年5月】健康づくりかわら版.pdfをダウンロード |
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