一般財団法人日本予防医学協会では、企業・健康保険組合に向けた健康診断を受託しています。
このページでは、当会が受診者様、健診ご担当者様にご報告している下記の健診結果に関して説明しています。
- 受診者さま宛の健康診断結果(健康診断レポート)
- 健診ご担当者さま向けの健康診断レポート控え(個人通知)
- 健診ご担当者さま向けの健康診断結果報告書、要管理者一覧表、受診者一覧表(ホチキス留めしてあるもの)
- 健診ご担当者さま向けの健康管理台帳 等
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メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは?
糖尿病などの生活習慣病は、それぞれの病気が別々に進行するのではなく、おなかの中に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が大きくかかわるものであることがわかってきました。
内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。
メタボリックシンドロームの判定基準
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①腹囲 | 男性85cm 女性90cm | |
+ | ||
②血糖 | 血糖 110mg/dL以上 または HbA1c(NGSP) 6.0%以上 |
※HbA1cは、血糖(空腹時又は随時)の測定未実施の場合のみ判定基準となります。 ※服薬中の方は基準内であっても該当となります。 |
③血圧 | 最高血圧(収縮期)130mmHg以上 または 最低血圧(拡張期) 85mmHg以上 |
※服薬中の方は基準内であっても該当となります。 |
④脂質 | 中性脂肪150mg/dL以上 または HDLコレステロール40mg/dL未満 |
※服薬中の方は基準内であっても該当となります。 |
メタボリックシンドロームの判定結果
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判定 | 説明 |
基準該当 | メタボリックシンドロームの基準に当てはまります。 ①に該当+②~④が2つ以上該当 |
予備群該当 | メタボリックシンドロームの予備群です。 ①に該当+②~④が1つ該当 |
非該当 | メタボリックシンドロームではありません。 ①に該当+②~④に該当なし、または①に該当なし |
判定不能 | 今回はデータ不足のためメタボリックシンドロームについて判定できませんでした。 |
内臓脂肪を防ぐポイント!
こまめに体を動かす →食事で摂取された分、身体を動かせば、エネルギーは消費されます。
脂質や糖質を摂り過ぎない →余ったエネルギーは、脂肪細胞に蓄えられます。
お酒と上手に付き合う →アルコールは意外と高カロリーなので要注意です。
禁煙する →メタボリックシンドロームに喫煙が加わると健康リスクが増大します。
ストレスをためない →ストレスで過食傾向になり、つい食べすぎることも・・・
内臓脂肪をためない・減らすような、生活習慣を心掛けましょう。
特定健康診査の主な項目について
特定健康診査とは40才以上の方を対象にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診です。
★の検査項目で判定基準をはずれた値が、特定保健指導対象者の選定基準となります。
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検査項目(単位) | 健診項目の 判定基準 |
この検査でわかること | |
身 体 計 測 |
身 長(cm) | 肥満・やせをはかる一つの指標となります。体重の増減は、生活習慣・健康状態の大切な指標です。 | |
体 重(kg) | |||
腹 囲 ★ (cm) |
男性85未満 女性90未満 |
肥満のなかでも特に内臓周囲に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満(内臓脂肪蓄積)が動脈硬化を進行させます。腹囲計測は内臓脂肪型肥満をみる指標の1つとされています。 | |
B M I ★ Body mass Index |
25.0未満 | BMIとは、身長に見合った体重かどうか判定する数値です。BMI値22.0前後が最も病気が少なく、この時の体重を標準体重としています。 計算式=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)) |
|
血 圧 |
血 圧 ★ (mmHg) |
収縮期130未満 拡張期85未満 |
血圧とは、血液から血管の壁にかかる圧力のことで、普通は上腕の動脈について測定した値のことをいいます。心臓が収縮して血液を送り出したときの圧力最大値を、最高血圧(収縮期血圧)といい、心臓が拡張して静脈側の血液を吸い込んだときの圧力最小値を、最低血圧(拡張期血圧)といいます。 |
血 糖 検 査 |
空腹時血糖 (グルコース・BS) ★ (mg/dL) |
100未満 | 血液中のブドウ糖は身体の大切なエネルギー源です。食後には血糖が上昇しますが、インスリンの働きでもとに戻ります。糖尿病でインスリンの作用が不足すると血糖値は上昇します。糖代謝の要精密検査・要医療判定(糖尿病疑い)を放置することは危険です。内科を受診してください。 |
HbA1c (NGSP) ★ (%) |
5.6未満 | ブドウ糖とヘモグロビンが結合したものを、HbA1c(グリコヘモグロビン)といいます。この物質は赤血球の寿命である約120日は安定するため、過去1~2か月の長期間の血糖がうまく調整されているかどうかを知るために役立ちます。 | |
脂 質 検 査 |
空腹時中性脂肪(TG)★ (mg/dL) |
150未満 | 高カロリー食やアルコールの過飲などで過剰に摂られたエネルギーは中性脂肪として貯蔵され、さらに増加すると皮下脂肪や肝臓に蓄えられます。これが高くなると、内臓脂肪の増加や脂肪肝の原因となります。 |
随時中性脂肪(TG)★ (mg/dL) |
175未満 | ||
HDLコレステロール ★ (mg/dL) |
40以上 | 動脈壁に付着したコレステロールを再び血液中に洗い出す働きがあるため善玉コレステロールと呼ばれます。これが高いと動脈硬化に予防的に働き、低いと動脈壁へのコレステロール沈着が増え動脈硬化の進行が早まります。 | |
LDLコレステロール (mg/dL) |
120未満 | LDL(低比重リポ蛋白)はコレステロールを末梢細胞に運搬する働きがあります。血中のLDL-コレステロールの増加は冠動脈疾患の危険因子です。高値のときは、バランスの良い食事や適度な運動を心がけてください。 | |
non-HDLコレステロール (mg/dL) |
150未満 | non HDL-CはLDLだけでなくすべての動脈硬化を引きおこしたり促進したりするコレステロールを表します。 non HDL-コレステロール=総コレステロール-HDL-コレステロールで計算されます。 |
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肝 機 能 検 査 |
AST (GOT) (U/L) |
31未満 | 心臓、肝臓、筋肉、腎臓などのさまざまな臓器に存在する酵素です。これらの臓器が障害を受けると、この酵素が血液中に放出され、高値を示します。 |
ALT (GPT) (U/L) |
31未満 | ASTと同じように身体のさまざまな臓器に存在しますが、ALTは主に肝臓に存在するためASTとALTの両方が高値のときあるいはALTのみが高値の場合には肝障害の可能性が高くなります。 | |
γ-GT(γ-GTP) (U/L) |
51未満 | 蛋白質を分解する酵素の1つです。肝臓や胆道に病気があると高値を示します。アルコールの影響で高値になりやすく、常習飲酒による肝障害の指標になります。 | |
腎 機 能 |
クレアチニン (mg/dL) |
男性 1.05未満 女性 0.80未満 |
クレアチニンは筋肉内にあるクレアチンの最終産物で、腎臓でろ過され排泄されるため、腎機能の最も重要な指標とされています。 |
eGFR (推算糸球体濾過量) (ml/min/1.73m2) |
60.0以上 | 腎臓が老廃物を排泄する能力を調べる検査で、血清クレアチニン値と年齢と性別から推算します。慢性腎臓病(CKD)の重症度評価に用いられます。 | |
尿 検 査 |
尿糖 | (-) | 糖尿病、腎性糖尿などで陽性となります。尿糖が陽性でも糖尿病とは限らず、血糖値等によって判定する必要があります。 |
尿蛋白 | (-) | 慢性腎臓病、腎炎、尿路感染症など腎臓や尿路等の病気発見の手がかりになります。高熱が出たときの熱性蛋白尿や起立性蛋白尿、一時的な過労等で陽性となることがあります。 |
※上記の『健診項目の判定基準』は、厚生労働省の定める健診検査項目の健診判定値のうち、特定保健指導判定値を参照に記載しているため、健診結果個人通知に記載されている<今回参考値>とは異なります。
※上記の検査以外に、厚生労働省の定めにより医師の判断で「心電図検査」「眼底検査」「貧血検査」が実施される場合があります。