【No.269】健康づくりかわら版《2403》by日本予防医学協会ia

※ こちらからイラスト入りのメールマガジンを読むことができます
https://www.jpm1960.org/kawara/web202403_Intestinal-bacteria-contributing-to-health.html ※
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╋╋╋╋┻   健康づくりかわら版 2024年3月号
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健康太郎さま

今年度も残すところ僅かとなりましたが、みなさん、いかがお過
ごしでしょうか。新年度を気持ちよく迎えられるよう、身の回り
の整理をしていきましょう!
さて今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

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   年度末!腸内細菌も決算!

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みなさんはご自身の便をチェックされたことはありますか。近年、
健康と腸内細菌の関係が注目されており、この腸内細菌の状態は
便で確認することが出来ます。良い便は黄色から黄色がかった褐
色で、においがあっても臭くなく、形状は柔らかいバナナ状をし
ています。一方、良くない便は黒っぽい色で悪臭があります。日
々の便をチェックし、腸内細菌も定期的に決算(見直)しましょ
う!
そこで今回は『腸内細菌』に関するお話です。

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★ 腸内細菌とは? ★
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腸内細菌とは大腸に存在している細菌で、ヒトの腸内には約1000
種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しています。そして、ヒト
の腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌、そのどちらでもない中間の菌と、
大きく分けて3グループで構成されています。

[特徴]
〇善玉菌
(乳酸菌、ビフィズス菌など)
・悪玉菌の侵入や増殖を抑える
・腸のぜん動運動を促す

〇悪玉菌
(有毒株の大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌など)
・有害物質を発生させる
・腸内の腐敗を促進させる

〇中間の菌(日和見菌)
(バクテロイデス、無毒株の大腸菌、連鎖球菌など)
・善玉菌が多いときは大人しい
・悪玉菌が多いときは悪玉菌と同じ働きをする

腸内細菌の中で最も数が多い菌は中間の菌で、次に善玉菌が多く、
悪玉菌は少数です。腸内細菌の数や種類はとても多様で、個人差
も大きく、さらに食事・在住国などの要因によっても異なります。
また、菌の数は年齢によって増減はあるものの、菌の種類は一生
を通じてほとんど変わらないことも報告されています。

腸内環境を良い状態にするためには、腸内の善玉菌が占める割合
を増やすことが大切です。

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★ 善玉菌を増やすには? ★
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①健康に有用な作用をもたらす生きた善玉菌である
「プロバイオティクス」を摂取する

 例:ビフィズス菌や乳酸菌を含むもの
ヨーグルト・チーズ・キムチ・ぬか漬け・納豆・味噌
醤油などの大豆発酵食品・乳酸菌飲料

 腸内にある程度の期間は存在しても、すみ着くことはないとさ
れているため、毎日続けて摂取し、腸に補充することが大切で
す。

②善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」を摂取する

 例:オリゴ糖や食物繊維を含むもの
大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス
バナナ・牛乳・ヨーグルト・はちみつ・甘酒

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★ 菌とその他栄養素のひみつ ★
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~ビフィズス菌~
整腸作用だけでなく、病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖
を抑える効果があると考えられています。

~乳酸菌~ ※1
タンパク質や糖質を分解することによる栄養の吸収性向上や、ビ
タミンBなどの栄養素の産生、乳酸や抗菌物質を産生することに
よる食品の保存性向上、酸味やうま味・香気成分の付与といった
おいしさの向上など、食品の二次機能、三次機能を高める働きが
あります。

また、乳酸菌は口腔内にも存在しており、虫歯や歯槽膿漏の原因
菌から口腔環境を守る働きをしています。

~オリゴ糖~ ※2
甘味料、物性改良用として飲食品に利用されるほか、非消化性、
難消化性、血中脂質改善、ビフィズス菌増殖、非うしょく性、
抗うしょく性などの各種生理効果を有することが確認されつつ
あり、最近注目されている特定保健用食品にも多数申請されてい
ます。
※うしょく:歯の実質欠損のなかで、生物的要因(口腔内の細菌
が糖質から作った酸による歯の脱灰など)が原因であるもの

特定保健用食品などで市販されているものもありますが、急に摂
取すると下痢を起こしたり、おなかが張ったりすることがありま
す。1回の量を2~3回に分けて摂取する、または1日あたりの
摂取量を減らして数日間かけて摂取するようにしましょう。

~食物繊維~
便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑
制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が
明らかになっています。

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★ 管理栄養士がおすすめする腸が喜ぶメニュー ★
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〇はちみつバナナヨーグルト
はちみつ(オリゴ糖)+バナナ(食物繊維)
+ヨーグルト(ビフィズス菌、乳酸菌)

〇なめこ味噌汁
なめこ(食物繊維)+味噌(乳酸菌)

〇納豆巻き
納豆(乳酸菌)+のり(食物繊維)

〇厚揚げキムチチーズ
厚揚げ(オリゴ糖)+キムチ(乳酸菌)+チーズ(乳酸菌)

〇カプレーゼ
チーズ(乳酸菌)+トマト(食物繊維)

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★ 最後に・・・ ★
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忙しく身体がしんどいと感じる時は、腸も悲鳴をあげているかも
しれません。毎日がんばってくれている身体(腸)を労い、良き相
棒として、上手く付き合っていきましょう。

※今回の記事は次の資料を引用・参考にして作成しました。

・厚生労働省 e-ヘルスネット 最終閲覧:2024年2月20日
腸内環境と健康 清水 純
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-0
03.html

 食物繊維の必要性と健康 清水 純
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05
-001.html

※1)立垣愛郎(2018)「乳酸菌の健康機能」、公益財団法人国際全
人医療研究所『Comprehensive Medicine Vol.17 No.1』、
p.10 p.8-18

※2)菅原正義(1993)「オリゴ糖の特性と生理効果」、日本食品化
工(株)研究所『ビフィズス 7:1-22』p.1

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